現地調査による天井の確認
質問1
現地調査にて確認しておくべき重要な箇所とはどこでしょうか?
構造躯体がRC 造であれば吊元インサート、あと施工アンカーの状態、S 造であれば支持構造部の鉄骨の状態や吊りボルトの取り付け金具の緩み、施工方法(溶接は平成25 年国交省告示771 号で禁止)の確認が重要です。特に建築基準法第12 条では天井材の定期点検という事で天井材(吊りボルトから天井板まで)と規定されていますが、国交省からはさらに技術的助言(平成27 年1 月13 日国住指第3740 号)が出されて天井材ではない支持構造部の鉄骨の変形や破損、錆等の状況まで点検するよう指示が出されました。
質問2
見落としがちな調査箇所とはどこでしょうか?
防振ゴムの有無のほか、防振ゴムが設置されている場合は吊りボルトが緩んでいることが多いです。本来は定期的に点検をしてナットの締め直しが必要です。またハンガー下部のナットの脱落やクリップが緩んでいることが多いです。
特に設備機器回り、開口部回りでクリップの緩み、外れが多数見つかることが多いです。
質問3
現地調査を含め、天井改修工法の提案作成にはどれくらいの期間がかかりますか?
構造躯体がRC 造であれば吊元インサート、あと施工アンカーの状態、S 造であれば支持構造部の鉄骨の状態や吊りボルトの取り付け金具の緩み、施工方法(溶接は平成25 年国交省告示771 号で禁止)の確認が重要です。特に建築基準法第12 条では天井材の定期点検という事で天井材(吊りボルトから天井板まで)と規定されていますが、国交省からはさらに技術的助言(平成27 年1 月13 日国住指第3740 号)が出されて天井材ではない支持構造部の鉄骨の変形や破損、錆等の状況まで点検するよう指示が出されました。
改修方法・工期について
質問1
音楽ホールの天井にお勧めする改修工法は何でしょうか?
音楽ホールは段差形状であることが多く、吊り天井でブレースや段差部分に法律で定められた12 ㎝の隙間を空けるというのは難しいと思いますので、構造体と一体化となった天井(準構造耐震天井)がお勧めです。
質問2
音楽ホールの天井を改修した場合、工期はどれくらいかかりますか?
現場を見ないと何とも言えませんが仮設足場組み、既存天井の撤去及び支持構造部材を追加するための鉄骨工事に多くの工期が必要とされます。ほとんどのホールは最低でも1 年間は休館して改修をしているようです。元施工となるゼネコンの力量に大きく左右されます。
国土交通省監修の耐震改修事例集にも事例が掲載されておりますので参考にご確認ください。
改修計画策定に向けた助言・注意点
質問1
改修するにあたり事前に確認しておくことはありますか?
既存の配管類とキャットウォークの安全性は確認しておいた方が良いと思います。特に地震時にキャットウォークが揺れて躯体に衝突し、躯体や天井を壊した例があるので、キャットウォーク自体の耐震性の確認、地震時の挙動を確認しておき、必要であればキャットウォークや配管類も耐震補強をする等検討されたほうが良いと思います。シーリングルームが地震時に揺れて天井を一部壊していた例もありました。
質問2
音響計画で気を付ける点、また、検討すべき点はありますか?
音響計画は既存の音響性能を維持するという考え方がほとんどだと思いますが、実際には数値上は同じ性能でも観客にとっては「改修前の方が良かった」と感覚的に言われることが多いようです。
よって残響時間をさらに増やしたり、観客席のデッドスポットをなくすように一部の天井板の角度や壁の角度、可動式音響反射板、移動式反響板のセッティングを変更したりして、以前より音響性能をさらに改善しているケースが見受けられます。
ただし数値上音響性能を以前のものより良くしても観客には残念ながら改修前と同じ程度と言われることも多いようです。
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