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特定天井とは?基本から耐震天井との違いを解説

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平成25年国土交通省告示第771号の天井告示では、「特定天井」という新しい用語が定義され、
これに該当する場合には、天井脱落対策に係る技術基準に適合することが義務付けられました
 
 

特定天井とは

 
脱落によって重大な危害を生ずるおそれがある天井のことで、下記5つの全ての条件に当てはまる天井のことです。
 

  1. 吊り天井
  2. 天井高さ6m 超
  3. 水平投影面積200 ㎡超
  4. 単位面積質量2kg/㎡超
  5. 人が日常利用する場所
 
 

 
 
 

特定天井の定義における注意点

 

1、吊り天井とは、吊りボルトで吊っている天井だけではない

 
5つの条件にある①吊り天井の意味は、吊りボルトで吊っている天井だけが該当するということではありません。
告示の解説では、吊りボルトの使用の有無は関係なく、地震時に建物と天井が別々に揺れるのか、または建物と一体となって天井が動くのかどうかを、天井の固有周期を求めることによって判断しています。
仮に鋼製下地材ではなく、アングル等の鉄骨で天井を吊っていても天井面の固有周期から特定天井に該当するか(吊り天井に該当するか)どうかを判断する必要があります。
 

(参考資料: 「建築物における天井脱落対策に係る技術基準の解説」P56)

 
 

2、特定天井に該当しない天井も脱落対策は必要

 
建築基準法施行令第39条の第1項では内装材(天井等)は地震等で脱落させてはならないとされています。これは特定天井に該当するかどうかは関係ありません。
天井高が5m90cm、または面積が190 ㎡で特定天井に該当しないから天井が落ちないとか、脱落対策は不要と思っている方が多いですがそうではありません。
あくまでも脱落によって重大な危害を生ずるおそれがある天井を「特定天井」と定義しており、
特定天井でなければ何もしなくても良いとか、地震が発生しても安心できると言うわけではありません。
 
 
 

特定天井と耐震天井は別物

 
特定天井は、脱落によって重大な危害を生ずるおそれがある天井のことで、耐震天井そのものを差しているわけではありません。
 
既存建物に特定天井がある場合は既存不適格建築物であり、建築基準法による耐震改修の義務付けはありません。ただし、建築基準法第12条(定期調査報告制度)が国土交通省平成26 年告示第1073 号によって改正され、天井裏の定期的な調査報告が義務付けられています。